「そら君は〝やくびょうがみ〟じゃなくて、〝まほうつかい〟だよ。ここをホカホカにしてくれたもん」
「ここって心臓?」
「うん」
男の子は私をじっと見つめ、「魔法使いかぁ」と繰り返し言った。
「ありがとう。僕、疫病神だけど魔法使いになるよ。そして、魔法で悪いことを失くすね」
元気を取り戻したように男の子が満面の笑みを浮かべた。それがとても嬉しかった。
「うん! あのね、トトとお友達になってくれる? 〝まほうつかい〟のお友達ほしかったんだ。」
「友達?」男の子は少し考え、ニッと口角を上げた。
「すっごくいいことを思い付いた」
「何?」
「トトちゃんを僕のお嫁さんにしてあげる」
「おヨメさん?」
お嫁さんという言葉で、親戚のお姉さんが着た綺麗なウエディングドレスを思い出した。
「おひめさまにしてくれるの! うん、宇宙君のおヨメさんになる」
男の子はやっぱり魔法使いだったんだと、私はその時そう思った。
***
(そうか、そうだったんだ)
光の中に入る瞬間、私はその事を思い出した。
私と葵宇宙の出会いは……必然で……運命だったんだ。
~THE END~
「ここって心臓?」
「うん」
男の子は私をじっと見つめ、「魔法使いかぁ」と繰り返し言った。
「ありがとう。僕、疫病神だけど魔法使いになるよ。そして、魔法で悪いことを失くすね」
元気を取り戻したように男の子が満面の笑みを浮かべた。それがとても嬉しかった。
「うん! あのね、トトとお友達になってくれる? 〝まほうつかい〟のお友達ほしかったんだ。」
「友達?」男の子は少し考え、ニッと口角を上げた。
「すっごくいいことを思い付いた」
「何?」
「トトちゃんを僕のお嫁さんにしてあげる」
「おヨメさん?」
お嫁さんという言葉で、親戚のお姉さんが着た綺麗なウエディングドレスを思い出した。
「おひめさまにしてくれるの! うん、宇宙君のおヨメさんになる」
男の子はやっぱり魔法使いだったんだと、私はその時そう思った。
***
(そうか、そうだったんだ)
光の中に入る瞬間、私はその事を思い出した。
私と葵宇宙の出会いは……必然で……運命だったんだ。
~THE END~