屋上には難なく出られた。出た途端、はて、と首を傾げる。

(ソーラーパネル?)

整然と並べられた四角いパネルを眺めながら、屋上を出入り禁止にしたのはこれのためなのだろうかと思った。

(自殺防止のためだと思っていたけど……)

しかし、現実とはこんなものだ――と思ったのも束の間だった。現実は小説より奇なりだった。

(嘘! 何なの?)

驚きで声も出ない。
屋上は四方を二メートルほどの金網が囲っているのだが、なぜかその金網の外側に制服姿の男子が一人立っていた。
彼は後ろ手に金網を握り、空を仰いだり地上を覗き込んだりしていた。

(怖くないのだろうか……?)

次に浮かんだのそんな感想だった。だがハッと思い直す。

(いやいや、そんな問題じゃない! 誰か、助けて!)

心の中で叫びながらも躰を動かすことができなかった――そのときだった。

「何をしている!」
「危ないから!」
「落ち着いて!」

男女三人の叫び声が聞こえた。
一人は中年の男性。警備員? それっぽい制服姿だった。あとの二人は……校医と先生? 白衣の若い男性と小柄だが背筋の伸びた年配の女性だった。
三人は息を切らせながらゆっくり少年に近付いて行く。