「マサシはな、体が弱っちいからか直ぐにいじめられるようなヤツだったんだ。だから私はそんなマサシを守ってやってたんだぞ!」
ふふん、と胸を張って鼻を鳴らした葵は、得意げに続ける。
「アイツの代わりに、いじめてきたヤツらをこてんぱにしてやって、それなのにアイツ、困ったような顔するだけでさ。面白くねえヤツだろ? そんなんだからしょっちゅういじめられるんだって、何度も言ってやったんだけど、聞かなくってさ」
饒舌だった葵の言葉が詰まる。
ばっと私に背を向けた葵は、勢いよく鼻を啜った。
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