「怪我は?」


 慌てて首を横に振る。


 「ならいい。なあ、あんた。結守の巫女をしてるってことは、言霊の力があるんだよな?」


 私の両肩を掴むと、ずんと顔を近づけた少女。

 思わず後退りながらぶんぶんと上下に頭を振れば、少女の目付きが変わった。


 「時間がないから手短に言うぞ。あんたの言霊の力で、私を人間にしてくれ」