「────ちゃん、麻ちゃん」
肩を揺すられる感覚で、次第に頭が覚醒していく。
ぼんやりした視界の先で、男の人が私の顔を覗き込んでいた。
なんでだろう、とはっきりしない頭で考える。
「着いたよ」
その言葉にハッと目が覚めた。
慌てて運転席の方を見れば、口元に拳をあててくすくすと笑う三門さんの姿がある。
赤くなる頬を隠すように俯きながら頭を下げれば、また頭の上に手がぽんと置かれた。
「長旅だったもんね。直ぐに部屋へ案内するよ、そこでゆっくり休んだらいい」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…