お昼時が近付いてきたころ。

 社務所に戻っていた三門さんが神事用の装束にで、授与所に飛び込んできた。


 「麻ちゃん、ごめん! 今さっき福豆が届いて、これから祈祷なんだ。午後から予定が詰まっているから、お昼のうちに済ませておきたくて。だからお昼ご飯のお使い、頼んでもいい?」


 よっぽど慌てているのか早口で言った三門さん。

 気圧されながらもひとつ頷く。


 「ありがとう、とっても助かる。じゃあ、河原沿いを駅の方へ行ったら『みいと松村』っていうお肉屋さんがあるから、そこの稲荷コロッケを四つ、お願いします」