「あのー、すみません」


 しばらくして、突然外から声がした。

 私と三門さんは顔を見合わせると、直ぐに幕をくぐって顔を出す。

 大学生くらいの女の人がふたり、そわそわとした表情で立っていて、三門さんが現れるなり「わっ、噂以上のイケメン」と小声で呟いていた。


 「ようお参りです。どうかなさいましたか?」

 「あの、結紅ってここで買えますか?」


 頬を赤くしながらそう尋ねた女性。


 「はい、こちらで授与しております」

 「ふ、ふたつ下さい!」


 少々お待ちくださいね、と微笑んだ三門さんは、私に「幕の後ろにある木箱を取って」と耳打ちをする。