眉間に皺をよせて俯けば、頭に手がぽんと乗せられる。三門さんの手だ。


 「忘れないで、この力は恐ろしいものだけど、それだけじゃない。傷を癒し、大切なものを守り、祝福を与える力だよ」


 傷を癒し、大切なものを守り、祝福を与える力。

 三門さんの言葉を、頭の中で反復する。


 私の力がお母さんを傷つけようとした、それは紛れもない事実。


 そんな私のこの力で、誰かを、大切な誰かを守ることができるんだろうか。

 三門さんのように、傷つく誰かを救うことができるのだろうか。