三門さんと目が合った。
「そしてもうひとつ、説明しないといけないことがあるんだ」
柔らかく微笑んでいた彼は、目が合うなりすっと真剣な表情になる。
「麻ちゃんの持っているその力のことだよ」
ばくん、と心臓が波打つ。そして次第に鼓動のリズムが狂い始め、間隔が短くなっていく。
頬が引きつった。
「発した言葉が、その通りになってしまう────これまでにも、そんなことが何度かあったんじゃないかな」
一瞬呼吸が止まって、顔から血の気が引いていく。
どうしてそれを。なんで、三門さんが。
誰にも言わず隠してきたのに。
バレたら、また、またあの目で見られるんだ。
震える両手を胸の前で握りしめた。
「麻ちゃんが話せなくなったのも、その力のせいだよね?」
そうだ、この気味悪い力のせいで、私は。
私は────。