信じがたいかもしれないけれど、麻ちゃんが見たように妖は存在するんだ。


 そう続けた三門さんから、戸惑い気味に目を反らす。

 不思議で、信じられないものを見て、とても怖くて。でもそんな目をされたら、三門さんを疑うことすらできないじゃないか。

 それに私は、この目で見てしまった。それは紛れもない事実だ。


 「彼らを怖がる必要なんてないよ、彼らは麻ちゃんのことをよく知っているから」


 え、と目を瞬かせる。


 「覚えていないかもしれないけれど、麻ちゃんが小さかった頃、よく一緒に遊んでくれていたんだよ」

 「ババはオネショの始末だってしたんだからねえ」


 おばあさんの言葉に目を見開いた。かあっと頬が熱くなる。