すっかり綺麗になって身支度を済ませると、朝拝の時間のギリギリになった。
急ぎ足で本殿に入ると、三門さんの隣に正座してお行儀よく並んだ家鳴たちの姿がある。どうやらこってり絞られたらしく、皆死んだ魚の目をしている。
「きっちり言い聞かせておいたからね」
三門さんはいつも通りの穏やかな笑みを浮かべてそう言った。言い訳をするように不服そうな声をあげた家鳴たちをじろりと睨む。
「あ、あの……洗って落ちたので、私はもう怒ってないからね」
「甘やかしちゃ駄目だよ麻ちゃん。そんなことを言ってると、油性ペンで額に角を描かれるから」
三門さんが苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべる。直ぐに察することができた。
ああ、三門さん、やられたんだ……。