暫くすると自然に会話が終わり、シュルシュルと糸を通す音と、柱時計の秒針が時間を刻む音だけが響く。たまにお父さんに視線をやると、黙って月を見上げていた。
「麻」
名前が呼ばれて、手を止めた。お父さんが真剣な目で私を見ている。
「お母さんと何があったの。どうして急に、三門くんの家へ行ったんだい?」
ばくん、と胸が大きく鼓動した。無意識に息を止めていて、たぶん十秒かそのくらいだったのだろう。思い出すように吐き出したその瞬間、顔からさっと血の気が引いた。
お父さんがじっと私の顔を見ている。何か言わなければいけない、黙ってしまえば余計に変だと思われてしまう。分かっているのに、喉の奥で言葉がつっかえて苦しくなった。



