裁縫箱から作りかけのお手玉を取り出し、続きを再開する。するとお父さんが興味深げに側へ寄ってきた。
「何を作っているんだい?」
「お手玉。ひとつだけ見つかったから、同じの何個かを作りたくて」
既に完成しているひとつを手に取って、「器用だなあ」と感心したように呟く。
「これ、何の顔?」
「あ、えっと……すねこすりっていう妖怪の顔なの」
「すねこすりかあ。聞いたことがないなあ。父さん、妖怪だったら猫娘とねずみ男と、あとは目玉親父くらいしかしらないや」
指を居りながらそう言ったお父さんに思わず吹き出した。
「それ、妖怪アニメのキャラクターでしょう?」
「あれ、そうだっけ」
お父さんはとぼけた顔で後頭部を擦った。



