そう言い小さく手をあげた三門さんは、私たちの側にそっと腰を下ろした。


 「気分はどう?」


 茫然としていた彼は、ハッと我に返ったように目を瞬かせた。


 「誠にかたじけない。して、ここは一体……」


 戸惑うように辺りを見渡す彼。


 「結守神社というところだよ。君は本殿の前で倒れていたんだ、覚えてないかな」

 「結守……ああ、ああ。確かに覚えております。そうか、私は辿り着いた途端に目が回ってしまって」


 そう言って額に手を当てた彼は、直ぐにハッと顔をあげた。そしてその場で正座をすると勢いよく頭を下げた。


 「三門さま、お願いがあってまいりました」

 「僕を知っているんだね」


 彼が深く頷く。