「おはよう三門ちゃん! もしかして、もう朝拝終わったの?」
「おはようございます。丁度今終わったところですよ」
一足遅かったか、と笑ったおばあさんたちは、背負っていた籠をその場に下ろした。その中にはたくさんの果物や野菜が入っている。
「今朝取ったばかりのものなんだけど、お供え物に持ってきたの。今年は不作だったし、一緒に拝ませてもらおうと思って」
「そうそう。子どもたちの間では、病気も流行ってるみたいだからねえ」
カラカラと笑ったおばあさんたちに、三門さんが微笑む。
「そんな時なのに、ありがとうございます。良かったらお昼ごろに御祈祷しましょうか?」
「あら嬉しい!」
「でも本当にいいの? 年末で忙しいでしょう?」