これからはきちんと早起きをして、朝拝に参加しよう。
そう心に決めて、姿勢を正す。
「よし、じゃあ朝ご飯にしよう」
そのひと声で、私たちは本殿を出た。
外は一段と冷え込み、空には灰色の雲がかかっている。
両手をこすり合わせて肩を竦めた三門さんが、「昼頃からは雪が降るかもね」と空を見上げながら呟いた。
「あったかいお味噌汁が飲みたいなあ。今日の朝ご飯は和食にしようか。麻ちゃんは何の具材が好き?」
そんな話をしながら歩いていると、参道を誰かが歩いてくるのが見えた。私たちの姿を見つけると直ぐに、その人たちは駆け寄ってくる。
茅の輪づくりに参加していたおばあさんたちだった。
みな各々に、おおきな籠を背負っている。