「上の方の葉っぱを数枚残して、後は全部取り除いてね。長さは二尺に揃えて」
「えっと、二尺ってどれくらいですか?」
「六十センチくらい……?」
「六十センチ……これくらいでしょうか?」
「……多分?」
草を両手に持ち三門さんと顔を見合わせる。ふたりしてぷっと小さく噴き出した。
毎年適当なんだ、三門さんは肩を竦める。
「三門ちゃん、こっちは終わったわよ~」
おばあさんたちが手を振って知らせる。
「ありがとうございます。じゃあ、一旦お昼休憩にしましょうか。村松さんから稲荷コロッケの差し入れをもらってますよ」
やったあ、とみんなが歓声を上げた。
軍手の草をぱんぱんと払った三門さんが立ち上がる。「手伝います」と私も立ち上がった。



