昨日の名残を見つけながら掃き掃除に精を出していると、社へ続く階段を上ってくるたくさんの足音が聞こえた。
「あと少し、頑張れ」「たくっ、階段長すぎるだろ!」「三門くん、エスカレーターつけてよ」なんて声も聞こえてくる。
暫くすると、大きな草の束を抱えた人たちがぞろぞろと参道を歩いてきた。
その一番後ろには、ほかの人たちの量よりも二倍はありそうな草を肩に担ぐ三門さんの姿がある。
箒を胸の前で握ったまま駆け寄る。
「お、麻ちゃん。起きてたんだね、掃除ありがとう」
にこりと微笑んだ三門さんに、私は小さく首を振る。
手伝いますと手を差し出せば、明らかに他の人よりも少ない量を渡した三門さん。



