「すねこすりは人の脛にまとわりつく幽世の生き物さ。まとわりつかれたら最後、大体の人の子はすっ転ぶ」
ふくりはじゃれてくるすねこすりにされるがままの状態でそう言う。
「だ、だから厄介なのね……」
尻もちを付いてもまだ足にまとわりつくすねこすりの背中をそっとなでる。ふわふわの毛並みに頬が緩んだ。
厄介だけど、ちょっと可愛いかも。
三門さんは襟から白衣の中に入られたらしく、「出てきてよ」と膨らんだところを撫でていた。
暫くすねこすりと触れ合った私たちは、ふくりがすねこすりによじ登られて押し潰れそうになったタイミングでスペースの外に出た。



