「可愛い妖だけど、ちょっと厄介なんだ。よし、行ってみようか」
そう言いながら私の手を引いた三門さんは、張られた柵の中にはいる。
続いて中に入った途端、見た目は猫だけれどウサギのような垂れた耳をした妖たちが足元にすり寄ってきた。
私の足にぐいぐいと体を押し付けてきる。その勢いに目を白黒させていると、バランスを崩して尻もちを付いた。
「ご、ごめんねふくり。大丈夫?」
咄嗟に腕に抱いていたふくりに尋ねれる。
「大丈夫だよ。早速転ばされてしまったねえ」
ふくりがそう言った途端、先に入った三門さんが私の隣に尻もちを付いた。
あはは、と楽しそうに声をあげて笑っている。



