「えっと……三田さんは体調が良くなかったみたいで、先ほど三門さんがお送りしました」
私がそう言った途端に時生さんは険しい顔をした。
「ここ最近ずっとなんだ、だから今日も開門祭へは行かない方がいいって言ったんだけど」
ふと、そう言えば三門さんも同じようなことを言っていたなと思い出す。
「教えてくれてありがとう、母さんたちを追いかけるよ」
そう言い歩き出した時生さん。しかし数歩歩いて、はたと足を止める。
「そう言えば、結眞津々実伝説のお話って、最近変わったの? お祭りの様子も、なんだか昔とは違うみたいだ」
三門さんに聞いておきますね、と返事を返せば嬉しそうに頷いた時生さん。今度こそ振り返らずに、早足で去って行った。



