そう言ってくるりと振り向けば、三門さんがこちらへ歩いてくる姿が見えた。駆け寄って事情を説明すれば、三門さんがおばあさんに歩み寄る。
「あれ、三田さん?」
近寄るなり三門さんが驚いたように名前を呼べば、おばあさんが顔をあげる。
「あら……三門くん、こんにちは」
「こんにちは。顔色が悪いけれど大丈夫? 社務所で横になっていく?」
おばさんの前に膝を付いた三門さんが、自分の手をおばあさんの手にそっと重ねて何かを呟いた。
すると青かったおばあさんの顔に赤みが戻っていく。
「大丈夫よ、三門くんが来てくれたからか、少し元気になったわ」
三門さんがほっと息を吐く。



