「ババの説教はみくりと同じくらいに長いからね」 本殿の前に戻ってくると、三門さんは息を吐きながらそう言った。思わず笑ってしまう。 「開始祭のことは……」 「もうひとつのお社を開けるお祭りだって、ババから聞きました」 「他には何か聞いた?」 他には? と首を傾げた。 他にはということは、もうひとつのお社を開けること以外にも何かあるのだろうか。 三門さんは「いや、何でもないよ。気にしないで」と曖昧に笑うと歩き出した。