「おーい、そっち持ち上げてくれ!」

 「この看板はどこに置くんだ?」

 「誰か金づち貸してくれ!」


 真夜中にも関わらずたくさんの提灯が灯りいつも以上に明るい社頭は、まるで文化祭の前日みたいな雰囲気でとても活気があった。

 たくさんの妖が忙しなく動き回りながら、楽しそうに何かの作業に取り組んでいる。


 私はと言うと、夕食後三門さんから「裏のお社で手伝ってもらいたいことがあるんだ」と頼まれて、その三門さんを探している真っ最中だった。


 それにしても、いつも以上に賑わっているのはどうしてだろう。


 御神木の側で首を傾げながらきょろきょろと辺りを見回していると、突然背後から声がした。