今日でもう何度も登場した「裏の鳥居」という言葉。すかさず三門さんに尋ねる。
「あの、その裏の鳥居って……」
「そうか、まだ教えていなかったね。いつも通ってくる鳥居とは真逆の位置に、もうひとつ小さな鳥居があるんだ。そこから、人が通れないような獣道でこの神社へとつながっているんだよ」
「人が通れない……じゃあ、もしかしてその鳥居は、妖たちの」
「そう、だから“裏”の鳥居」
ふと、ここへ来た次の日のことを思い出す。初めて本殿の前であのおばあさんに会った日だ。
確かあの時のおばあさんも、本殿の裏へ回って帰って行った。
なるほど、裏の鳥居を通るためにそうしていたんだ。