「た、祟り……?」
夕食の準備を手伝いた私は、包丁を片手に固まった。
うん、と頷いた三門さんは手際よく食材を切っていく。
「彼らが倒してしまったのは、ユマツヅミさまに縁のある妖が建てた灯篭なんだ。倒されて、直ぐにもとに戻さなかったことに腹を立ててしまったんだろうね」
「あ、それ貰っていい?」とまな板の上のホウレンソウを指さした三門さんに慌ててそれを差し出す。
「度々あるんだ。旅行客とか、好奇心旺盛な子どもたちが妖に悪戯されたり、神隠しに遭ったり、祟りなんかを受けたり。だから大人は「裏の鳥居には近づくな」って教えているんだけど、どうしても今日みたいなことは起こってしまうんだよ」