午後からの予定は特になく、社務所で福豆を袋詰めする三門さんを手伝っていた。


 「三門のお兄ちゃんどこ!?」

 「三門兄ちゃんっ」


 突然社頭から三門さんを呼ぶ切羽詰まった声が聞こえて、私たちは顔を見合わせる。

 慌てて社務所から外へ出ると、本殿の前に小学生くらいの男の子たちが泣きそうな顔で右往左往していた。


 「どうしたの!」


 三門さんが声をかけて駆けつけるなり、少年たちはわっと泣き出す。

 五人いるうちのひとりは意識がないのか、友達に背負われてぐったりとしていた。


 「『大丈夫、落ち着いて』」


 三門さんは少年たちの背中をそっとなでる。