翌日、三門さんに頼まれたお使いの帰りに、あの河原へ立ち寄った。


 マサシさんと葵が、岩の上に腰掛けて寄り添っている。

 時々目を合わせては笑い合い、静かに水面を眺めていた。


 そこにはもう寂し気な背中はなかった。


 ────良かったね、葵。

 きらきらと輝く簪を見つめながら、小さくそう呟いた。