いつの間にか周りには人だかりができていた。周りの妖たちもお互いに顔を見合わせては首を捻っている。


 「さあさあ、答えてみな!」


 明里の高笑いが聞こえる。

 ざわざわと騒がしい中で、私は静かに目を閉じる。


 ────暗闇の中に射す光。それはお前が見る幻影。芽生えては枯れて、生まれては死ぬ、それは輝いては消える! さあそれは何だい、答えてみな!


 暗闇の中に挿す光。電灯? 違う、電灯は「芽生えては枯れて」に当てはまらない。太陽、火、星、蛍、いいや、どれも違う。当てはまらない。


 「生まれては死ぬって、西洋の妖怪か……?」


 葵の呟きが聞こえた。

 西洋の妖怪、ゾンビのことかな。ゾンビは生まれては死ぬ、蘇るものだ。