五畳ほどの広さで、部屋には机と本棚、クローゼットしが用意されているとても清潔感のある部屋だった。
三門さんはテキパキと部屋の中へキャリーバッグを運び込む。
「布団はその押し入れの中にあるよ。居間と厨は廊下の突き当りで、お手洗いはその隣。僕は大体社務所にいるから、分からないことがあったらいつでもおいで」
「聞きにおいで」とは言わなかった三門さんの心遣いに、胸がじんわりと熱くなる。
「晩御飯ができたら声を掛けるから、それまではゆっくり休むといいよ」
私の頭にぽんと手を乗せた三門さんは、それだけ言うとくるりと背を向け歩いていった。
その背中が見えなくなるまで見送って、部屋の中へ入った。
お祖母ちゃんの家のような、落ち着いた雰囲気とどこか懐かしい匂いにほっと胸をなでおろす。
畳の上に転がるとどっと疲れが押し寄せてきて、私は静かに目を閉じた。