「すみません。本当にどうしたんだろ、もう会えないって分かってるのに。「もしかしたら、助けてくれるかも」って、こんなところにまで来て……。馬鹿だな、僕」


 力が抜けたように流木に腰を下ろしたマサシさんは、深く息を吐きうなだれた。

 どうすればよいのか分からずにおろおろしていると、マサシさんが私を見上げる。

 マサシさんは泣きそうな顔で、困ったように微笑んだ。


 「驚かせてしまってごめんね、僕も『葵』を探しているんだ」


 慌てて首を振った。遠慮気味にマサシさんの隣に腰掛ける。


 「……小さかったころにね、葵という女の子と仲良くなったんだ。いじめられてた僕をいつも助けてくれた。僕の代わりに「成敗!」って、いつもとっちめてくれたんだ」