鳥居をくぐるとその先は、赤灯篭が両端に並ばられた石の階段が続いていた。

 生い茂る木々の隙間から太陽の光が差し込むで、足元を照らしてくれる。


 土と木の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、何だか胸がすうっと落ち着く。湿っぽい空気が心地良かった。



 階段を上りきると、茅葺きが青く苔むした大きな社殿が現れた。

 建物は全体的に色褪せてはいるものの、厳かでどこか神秘的な尊さが感じられる。


 白い砂利が敷き詰められた参道を挟むようにして、本殿前にしゃなりと立つ二体の狛狐。


 よく見てみると、その二体ともが顔つきや体格が全く違っていて少し面白い。