「今日は麻ちゃんが来ることを知らせておいたからか、木々が騒がしいなあ」


 そう言って穏やかな表情を浮かべた三門さんの横顔をまじまじと見つめる。

 その言いようじゃ、まるで木々達が意志を持っているみたいだ。


 こっちだよ、そう言って軽々と肩にキャリーバッグを担ぐと、迷いのない足取りで鳥居を目指して歩き出した三門さんの背中を追いかけた。