俺たちはそのあと、のんびりとテレビゲームをはじめた。ゲームをしたことがない海月が機械を見つけてやってみたいと言ったからだ。
いつも弟とやってるソフトはグロいやつばっかりだし、クリスマスにゾンビはないだろうと、車を走らせて対戦するものを選んだ。
「え、待って。強くね?」
コントローラーの操作も分からないと言う海月にさっきやり方を教えたばかりなのに、俺はあっさりと抜かれてしまった。
「そうなの?簡単なコースだったからじゃない?」
「じゃあ、難易度高めのコースやろうぜ」と二戦目をすぐにしたけれど、やっぱり俺のキャラクターは二位でもちろん海月が一位でゴールした。
「これ面白いね」
どうやら海月はゲームが気に入ったらしい。初めてなのに俺よりもセンスがあるし、なによりコントローラーの手さばきが早い。
想像では俺が簡単に勝って『海月には難しいかも』なんて言いながらカッコつけるつもりだったのに。
「なんか拗ねてる?」
「す、拗ねてねーよ!」
結局、ムキになってそのあと何回も対戦したけれど、海月が上手くなっていく一方なのでゲームはやめた。