……病気のことを打ち明けたあの日。まさか美波があんなに怒るとは思わなかった。
美波とは同い年だからこそ接し方が難しかった。
美波は昔から明るくて友達も多かったからその妨げにならないようにと、小学校、中学校でも私たちは他人のように過ごした。
それでも、美波からの視線は感じていた。
私を見てる視線、気にしてる視線。
きっと美波はたくさんある関心の中に、私のことも入れてくれていたのだと思う。
でも以前、言われたように私は気にかけてもらってもうつ向いて黙るだけ。美波は美波なりに、私との関係を形作ろうとしてくれていた。
それを、拒否していたのは……やっぱり私だ。
それから夜になり、21時になると病室の電気は自動的に消されてしまった。
暗闇は好きじゃない。することがないから、できることといえば考えることだけ。
私は今までのことを振り返り、母のことも美波の家族のことも、私がなにかひとつでも別の行動をしていたら、こんなにも拗れることはなかったんじゃないかと思ってしまう。
正解を探すのは難しい。
間違えることは、こんなに簡単なのに。