私が母に捨てられたことも、今の家で上手くやれないもの、病気になったのも、全部自分のせい。

私が、悪い。


そうやって誰より自分自身を戒めてきたのに、佐原に核心をつかれて、バレそうになって、責めないでなんて被害者ぶってる自分が浅はかで、情けない。



どうすれば、上手くやることができたんだろう。


数えるのは、後悔ばかり。




「ご、ごめん」

佐原は申し訳なさそうに手を離した。掴まれていた箇所は赤くなっていた。


責めないでと言ったことで、私は問い詰めてきた佐原を責めてしまった。


なんにも悪くないのに、そんな顔をさせて謝らせてしまった。
 

もう、全部が悪循環。



「……私こそ、ごめん」


私は逃げるようにその場から立ち去った。