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 放課後。

 バスケ部の練習に向かう紗友と巧を体育館の前で見送ると、詠斗は校門のほうへと一歩踏み出した。しかし、その足をすぐさま止めることになる。

「……兄貴」

 目の前に現れたのは傑だった。傑も詠斗の存在に気づいたようで、小さく片手を上げた。

「なんでここに……?」
「安心しろ、お前に用があってきたわけじゃない。仕事だ。ここの生徒が殺された事件で、ここへ来ない理由はないからな」

 なるほど、学校関係者への聞き込みに来たわけか。

「兄貴、仲田翼先輩が刺し殺されたってのは本当?」
「……誰に聞いた?」
「紗友」

 あの子か、と傑は後頭部を掻いた。