そんな考えによる不安が顔に出ていたんだろう。
中途半端な笑みを浮かべた私に、ナギが気遣うように目を細めた。
「そのままの凛でいいんだよ」
「そのままの、私……?」
「俺に話す時もそうだけど、凛は普段、気を使いすぎて言わないことが多いだろ? でもそれは優しいからだ。相手を思いやれる優しい凛が、俺は好きだよ」
心を褒められて。
好きだと声で伝えられて。
私を支えようとしてくれるナギの言葉が、私の胸の奥にじんわりと染み渡る。
冷気を纏った風が、ナギの前髪を優しく膨らませて抜けていくと、彼は笑みを浮かべた。
「だから自信を持って、優しい凛のままで、少しだけ気を抜いて接してみればいいんじゃないか?」
「……できるかな?」
「できるだろ。だって、俺やヒロにはできてたし、今だってできてる」
そう言われれば、確かにそうだ。
朋美にも、特に気を張り続けて接してるわけじゃない。
そして、なんとなく思う。
ナギやヒロ、朋美は、今ナギが言ってくれたように、私をわかって認めてくれているから、私は肩の力を抜く事ができるのではないかと。