また会えるだろうか。

会えたらいい。

ここにいてくれたら。

その祈りが通じたのか、はたまた揃いの勾玉が引き寄せ導いてくれているのか。

穏やかな昼下がり、展望台から薄暗い林を抜けた先にある冬桜の咲く場所を訪ねてみれば。


「ナギ」


緑の草原に仰向けに寝そべっているナギを見つけた。

彼は閉じていた瞼をゆっくりと持ち上げて、覗き込む私を瞳に映す。


「……凛……おはよう」


本当に寝ていたのか、ナギはぼんやりとしながら大きく欠伸をして上半身を起こした。


「こんなとこで寝たら風邪ひくよ? いつから寝てたの?」


彼の隣に膝をつきつつ尋ねると、まだ意識がハッキリとしなさそうに頭を傾けて。


「……いつだったかな。それはさておきさ、今のは良かった」

「なにが?」

「凛の声で起こされるのが、だよ。毎日お願いしたいな」


俺の目覚ましになってくれとからかわれ、私は喜びに騒ぐ恋心を抑えるように、胸元に手を添えた。