高校はアクセサリーを身につけるのは校則で禁止されている。

だから、お守りとして鞄の内ポケットにいつも入れるようにしていた。

そのことを説明すると、ヒロは勾玉を見つめたまま唇を動かす。


「……ナギも、いつも持って歩いてる」


まさか、ナギも同じようにしてくれていたとは思わず、目を見開いた。


「そ、そうなの?」

「神社の蔵にあったお守りで、お前と繋がってるって言ってた」


その通りだ。

ナギがこの勾玉をくれた時、同じ事を教えてくれた。

ただ、蔵にあったというのは初耳だったけど。

というか、まさかナギってば、蔵にあった物を勝手に持ちだしたんじゃないよね?

ナギは昔からやんちゃをして叱られてた男の子だったから怪しいところだ。

けれど、蔵にあったものならきっと効果も抜群なのだろう。

と、そこまで考えたところで頼んでいた定食が運ばれてきた。

ヒロは【味噌カツ煮定食】を気に入っているらしく、ぐつぐつと煮えたそれはとても熱そうだ。

私の頼んだ蒸し鍋は見た目からヘルシーで、けれど体が芯から温まりそう。

私たちはいただきますと手を合わせると箸をとった。