やっぱり、ヒロに会ってナギの連絡先を聞くしかなさそうだ。
バスに乗り込んだ私は、民宿を出る前に決めた通り、展望台から天神商店街方面へと移動する。
とりあえず、商店街の近くにあるバス停よりひとつ後のバス停で降りて、住んでいた家の近くを先に歩いてみるつもりだ。
それから、お昼前くらいにヒロのお店を訪ねてみて、可能ならナギの連絡先を聞きたいけど、今日はクリスマスイブだ。
もし忙しそうなら近くの神社を巡って自力で探そう。
というか、よく考えたらナギとヒロは高校三年生で、冬休みは受験の追い込みで忙しいはずだ。
ヒロはお店の手伝いをしつつ勉強もしてるんだろうし、あまり邪魔をしないように気をつけなくちゃ。
ヒロに会ったら。
ナギに会えたら。
そんなことを考えながら目的地に着いた私は、バスを見送ると辺りを見渡した。
私の住んでいた家は、ここから歩いて十分ほど歩いたところにあったらしい。
過去形なのは、すでに取り壊されて、今は空き地になっているからだ。