来た時と同様、きちんとした道らしきものはなく獣道ではあるものの、急な傾斜もなく、私はナギに教えてもらったお地蔵様を目印に歩く。
ヒロに続いて、ナギにもこんなに早く会えたのは幸運だった。
それに、ふたりとも昔とあまり変わってなくて良かった。
もちろん、あの頃の幼さはないけれど、纏う空気というかオーラというか。
言動も含め、ああ、ナギだな、ヒロだなと思えるのが嬉しい。
ただ、わからないのはあの夢だ。
今日見た景色といい、ナギに会えたことといい、もしやこれが予知夢……というものなのだろうかと思い至る。
無性にナギに会いたい、会わなければと思っていたのは、私がナギを好きだから、その想いがそうさせていたのかもしれない。
そう、考えて。
だけど、どうしてなのか、私の心に違和感が残っている。
さっき、ナギといた時はなかったのに。
ナギと別れ、歩き離れるほどに蘇ってきたのは、夢を見た直後の焦燥感。