どうか、ナギが一日も早く目覚めますように。

桜の香りが漂う御霊還りの社で祈った私は、ゆっくりと顔を上げた。

そっと肩の力を抜くと、白い息が舞い上がる。

今日は昨日よりも更に冷え込んでいて、息を吸い込む度に肺から体が冷えていく感じがしていて。

合わせていた手も指先が体温を失い、少しジンジンしてきている。

一昨日までは、寒さを感じると寂しい気持ちになることが多かった。

でも昨日、母と話が出来たおかげで、心はどことなく温かい気がしている。

はぁっと、息を吐き出して心の温もりを移すように手を摩る。

そして、そろそろナギの様子を見に病院に向かおうと踵を返したところで私は目を見張った。


「……なんで……」


ナギが……。


「せっかく会えたのに、どうして泣きそうな顔するんだよ」


来てしまったから。


「だって……体、弱ってきてるのに」


こんな頻繁に体から離れていたら、更に弱ってしまう。