自分の発言や行動が、うっかり間違えて誰かを傷つけたりしたらと気を使って、結局、変わりたいと思っても勇気が出ないで終わるのだ。

だから、私に友人は少ない。

唯一の仲良しである朋美は、人付き合いが苦手な私の気持ちを察しつつ、自分のペースを保ちながら私のペースにも合わせて一緒にいてくれる素敵な子だ。

付き合いも長くなり、私も朋美にはあまり気を負わずに話せるようになった。

ナギとヒロと別れ、初めて心を許せることができた相手なのだ。

それは、私にとっての幸運。

だから私は、私を大切にしてくれる人を大切にしたい。

優しさには、優しさを返せるようになりたい。


思考の波を漂って、気づけば窓の外では陽が傾き、薄暗くなってきていた。

時間があれば少し外を歩いて景色に覚えがないか確認してみようと思ったけど、人通りも少なそうだし明日にした方が良さそうだ。

とりあえず夕飯まで時間はまだあるし、先にお風呂に入ってしまおう。