途中、車椅子に座った人や、点滴を引きながらパジャマ姿で歩く入院患者さんとすれ違い、辿り着いたの【面会謝絶】と書かれた個室。


「私、入ってもいいの?」


テレビドラマや映画での知識だけど、こういうのって家族以外はダメだったはず。

尋ねると、ヒロは「ダメなら福永さんに止めらてた」と答えた。

それから、本来は家族以外は面会できないけれど、ナギにはお見舞いに来てくれる身内はいないから理由話してヒロのお家は許可をもらってるのだとも教えてくれた。

そして、話し終えたタイミングで、ヒロ静かに病室の扉をスライドさせる。

真っ白な壁に囲まれた室内に入ると、まず聞こえてきたのは電子モニターの電信音と加湿器の送風音。

その音を耳にしながらヒロの後を追って足を進めると……。

ベッドの上。

白いシーツの掛け布団をお腹までかけて、仰向けに眠る……


「……嘘……なん、で、ナギ……」


私の大好きな、ナギがいた。