ダメだ。
ナギが、どうして。
ナギは、どうして。
疑問すらまとまらず整理のつかない思考の中、そんな言葉を頭の中で繰り返すばかりで。
「凛ちゃん。どうする?」
ヒロのお姉さんの優しい声が、いつのまにか俯いていた私の顔を上げさせる。
「手伝いは気にしなくていいから、自分の目で確認して、それから少しずつ整理していったらどうかしら?」
少しずつ、整理を。
「……はい」
「うん。そういうことで、大斗。あんたが連れて行ってやって」
「……わかった。凛、こっち。バイクで行く」
ヒロに促され、小さく頷いた私はまだ混乱したまま。
まるで夢の中にいるような現実味のない感覚で、彼の後ろをついて歩くのだった。