「じゃあ、また」 「またな」 ナギが答えて、名残惜しいけれど背を向けてヒロのお姉さんと並んで歩く。 振り返ると、ナギは神社の階段を登り始めるのが見えた。 「凛ちゃん」 「は、はい」 呼ばれてお姉さんを見れば、なぜか。 「渚君と、あまり会ってはダメよ」 「──え?」 窘められて、耳を疑う。 どうしてですか。 その声は、音にできずに飲み込んだ。 それほどに、ヒロのお姉さんの横顔は、あまりにも険しく、悲しそうだった……。