「ヒロ、ありがとう」
ヒロに話して良かった。
やっぱり、私にとってナギとヒロは特別だ。
「大したことしてない。俺は偉そうに話しただけだ。ほら、食うぞ」
「うん!」
さりげなく私に寄り添って、力をくれる。
私も、二人の役に立ちたい。
ヒロもナギと何があったかはまだ話てこないし、険悪なままなのだろう。
私にも何か手助けできるといいんだけど……。
そう思ってみても、私からその話に触れることは憚られて。
「いただきます」
結局、まだ二人のことには踏み込めないまま、私たちはお姉さんの作ってくれた昼食を前に仲良く手を合わせたのだった。