「あ、あの、店番は何時までですか?」

「店? 両親が年末年始用の買い出しから帰る時間だから、多分夕方ね」


夕方、か。

それなら間に合うかもしれない。

私はずっと手にしていたお釣りをお財布にしまうと、両手で抱えるようにし胸元に寄せる。


「私、この昼休憩のあとみなか屋さんでお掃除のお手伝いするんですけど、もし早く終わりそうならお手伝いしましょうか?」


迷惑でなければと続けると、ヒロのお姉さんは目を丸くした。


「いいの?」

「は、はい。私なんかで役立つかわかりませんけど……」

「大助かりよ。ありがとう。でも、無理しないでね」


勇気は必要だったけど、無理なんてしてるつもりはなくて、私は「全然大丈夫です」と頭を振る。

すると、もう一度感謝を伝えたお姉さんは、早く終わりそうなら連絡してと言って、連絡先を教えてくれた。


「ところで、お昼休憩って言ってたけど、時間は大丈夫?」

「た、多分……特に何時に戻るとかは決めてないので。これから定食屋さんに行こうと思ってるんです」


答えつつも、お酒も早く届けてあげたいしのんびりはできないなと考えていてたら、ヒロのお姉さんは「うーん」と小さく唸って。


「あそこ、もしかしたら今日はこの時間だと混んでるかもしれないから、うちで食べる?」


まさかの提案を口にした。