母のことで悩んで、ナギの返信が気になって。

なかなか寝付けず寝不足気味で目覚めた翌朝。

起き抜けの寝ぼけ眼でスマホを確認しても、未だにナギからの連絡は何もなかった。

母からも連絡はなく、怒っているのかも悲しんでいるのかもわからない。

本当なら、すぐにでも「嫌な言い方をしてごめんなさい」と謝るべきなのだろう。

頭ではそれがいいんだって理解しているけれど、そうすることは躊躇われた。

私が大切に思っている幼馴染や、優しく思いやってくれる人、思い入れのあるこの島を悪く言われたのが引っかかっているから。

……とりあえず、女将さんには一度帰って来いと言われたことは伝えておかなくちゃ。

昨夜、落ち込んでいたせいであまり夕飯が食べられず、気にしていてくれてたし。

温かい布団に丸まったまま、カーテンの隙間から差し込む朝日を眺める。

まだ少し眠いけれど、朝御飯を食べたら八雲君の自由研究の手伝いがある。

しっかり目を覚まさないと。

それで、昼食を軽く済ませたら御霊還りの社に行ってみよう。